2017年9月3日日曜日

18年執行代就任のごあいさつ

いつも応援いただき、ありがとうございます。
18年度代表を拝命いたしました、渋谷と申します。
18年執行代就任に際し、チームを代表してごあいさつさせていただきます。

弊チームは2018年をもって創立30周年の節目を迎えます。
部室に残された無数の議事録や設計図がその歴史を物語っています。 諸先輩方の多大なるご貢献に思いを馳せ、我々18年執行代もより一層身が引き締まる思いです。

この30周年の節目に執行代が建てたチーム目標は、「製作精度を向上させる」ことです。
具体的な飛距離に言及していない点や大会出場のための手段に重きを置いた点など、他とは一線を画した異質な目標に感じる方も多くいらっしゃることと思います。

現在の京大鳥人間は、もはや混沌とも称すべきほど多様な人財に満ち溢れたチームです。機体製作に斬新なアイデアを持ち込む部員、チーム運営に経営学を取り込もうとする部員、豊かな人望と一芸で人をひきつけてやまない部員など…とにかく「多様」なのです。

こうした中で、チーム一丸となって目指すべき目標を決める話し合いは実に壮絶でした。部員らは多様な価値観を持つだけでなく、頑固で、意地っ張りで、なによりチームを互いに想っていてやまないのです。

話し合いが進まない中、部員から「各々で解釈できる『製作精度』という言葉を使ったらどうか」というアイデアが生まれました。
ここでいう製作精度は決してパーツの加工精度だけを指すのではありません。本義とは程遠いですが、チームマネジメントや書類業務等に至るまで、各々が持つすべてのタスクへの誠実な取り組みの指標として『製作精度』という言葉が使われているのです。

部員一人ひとりが自分の想いに正直に、そしてチームのことを考え、自己のベストを尽くすことにこだわる。その集合体こそが京大鳥人間なのだ。これこそが我々の出した結論です。

早速も目標決めの段階から奇抜な方向に進んでしまいました。
幸運にも16年度、17年度大会に二連続出場することができ、そのたびに奇抜な試みから番組視聴者様を驚愕の海に沈めた弊チームは、今年も「普通の」チーム運営ができそうにはないようです。
しかし、全国に強豪ひしめく鳥人間界隈に、一校くらいちょっと「おかしな」チームがあってもよいのではないか? 我々はそう考えます。

皆様の期待を良い意味で裏切り、鳥人間界隈に色鮮やかな新風を吹き込むことのできるチームたるべく、今後とも京の町にて活動に邁進してまいります。
今年度もどうぞ、変わらぬ応援の程よろしくお願いいたします。

京都大学鳥人間チームShootingStars
代表 渋谷晃司

2017年6月26日月曜日

ギアとギアボとギアボボボ

 三四半期ぶりにブログを書かせていただきます構造班駆動課の三回生、藤田です。

 後輩の話を聞くに、来年から駆動課は元の駆動班という呼称に戻るらしいですね。僕の構造班駆動課という肩書が一年限りの希少性を帯び満足しているところです。

 さて、前回の試験飛行は日がまさに最も長くなる時期にあたっていました。これは個人的に嬉しいことです。
 
 朝凪の時間に飛ばす都合上、夜明け前から組み立て作業を行う訳で、そうすると一番早い日本の朝をどうしても見ることになるのです。

 また、これは晩に雨が降って叶いませんでしたが、水色茜色の残る空、死美人を眺めるごとく日没の過程を目に収めるという、まあ言葉遊びですけど、そういったことも期待していました。

 実際の六月の日の出、日の入りは、大気がぼんやりしていてそれほどには劇的な風景となりません。しかし最も日が長い短い一日という再現不可能性、その象徴のみに価値があった訳です。これは、役職構造班駆動課の有難みと同じです。

 しかし、一代限りの役職、一番早い夜明けを求めるのは、いかにも無害な一回性、希少性へ向けた欲望の発露であることです。

 前置きはこれくらいにして本題に入ります。

 今更という感じですが、前回の試験飛行から新しい駆動系に切り替えたのでそれについて紹介します。以下上下ギアボックスの組み立て図面で、AutoCADに表示してpdfで出力したものです。


上の図、下の図がそれぞれ上、下ギアボックスです。ただし、ギアは省いています。
後で見て気づいたのですが、下ギアボックスのベアリングナットが描かれていませんね。

 とりあえず、図を見れば、使っているベアリングが分かります。特筆する点は、
アンギュラ玉軸受を使っていることでしょうか。

 アンギュラ玉軸受の利点を書くと、同サイズの深溝玉軸受よりもラジアル荷重を受けた際の耐久性が高いこと、結果として装置をコンパクトにできるということです。

 気を付けるべき点がいくつかあって、アンギュラ玉軸受は一方向の荷重しか受けることができないので二つを反対の向きにして使わなければいけないこと、アンギュラ玉軸受は深溝玉軸受より外径に対して内径が小さいので、軸が細くなりすぎるかもしれないこと、
単列アンギュラ玉軸受ではシールド型がないので、ゴミが入りやすい、また密閉構造を作れないこと、さらに単価が高いということです。下手しなくても生じてくる問題の方が多いです。まあ長所短所とも詳しくは調べてください。

 さらに前のギアボックスと違う点について書いていきます。前のギアボックスについてはここで説明しています。

まず、今回のギアボックスでは、組み合わせるギアの歯数が互いに素になるような、金子歯車工業という会社の特別製のギアを使っています。

 組み合わせるギアの歯数を互いに素にすることで、歯車に含まれるそれぞれの歯は一回一回噛み合う毎に相手の歯車の異なる歯に当たることになり、歯車に傷が生じた際、損傷が一か所に集中しそこからつぶれていくということを防ぐことができます。

 それぞれのギアボックスについて見てみると、一つには上ギアボックスについて、縦軸をベアリング二つで拘束するようにしました。

 これにより、縦軸の許容荷重を高められただけでなく、ベアリングを固定するナットを用いるために軸の軸方向の位置が固定されて、今までのように軸がギアボックスの中に落ち込むということは無くなったので、組み付けが楽になりました。

 それと下ギアボックスについて、以前こちらはグリス潤滑だったのですが、こちらも油浴式に変更しました。

 組み付け写真を見せますが、3Dプリンタでカバーを作り、ギアボックスをこれで覆った上やはり隙間をガスケットで埋めることにより密閉されています。

 さらにその上を炭素繊維が包んでおり、これはギアボックスのボックスのボックス、略しギアボボボとも呼ぶべきものでしょう。



 まあ、こんなところですね。昨年のものが一年で作ったにしてはそれなりに完成度を持っているので、それほど変更してません。

 ただし、軽量化の面ではそこそこ成果を上げることができたと思います。

 ギアは、上述の理由で破損しにくくすることができたのでその分モジュールを下げていますし、それに伴うギアボックスそのものの小型化もあります。
 
 駆動系全体で計算して1kgほど軽くなっているはずです。


 そして回転試験を行いました。ギアの噛み合わせに調節の余地があるように思いましたが、異音はありませんでした。

  
その後試験飛行があって、約二十本の滑走を終えた後でも明らかに回りが悪くなってはいない、またギアに歯の欠けや亀裂がないことを確認したので、満を持してここに今年の駆動部について書かせてもらった次第です。
 

 という訳で、ここらでお開きにします。他に後輩が設計してくれた部品がいくつかあるのですが、彼らに時間と気力があれば、ここで紹介してくれるんじゃないでしょうか。

2017年4月27日木曜日

パイロット日記!

お久しぶりです。パイロットの齋藤です。

土曜日に畿央大学にて体力測定をしてきました。

今回は次期パイロットも一緒だったので道に迷ったりせずにすんなり行けるだろうと安心していたのですが、行きの電車が事故で一時間遅延とかいうトラブルに襲われました。とほほです。


測定の結果についてはとても満足のいくものでした。しっかりと飛行機を飛ばせそうです。
一昨年の測定と見比べてみたのですが、その時からは考えられないほど成長できていたので非常に嬉しいです。

僕にとって問題なのはフィジカルよりもメンタルのような気がします。毎度測定の直前は不安で不安で辛くなるのですが、これは日頃の自分への甘さが原因なのでしょうか。もっともっと限界を超えて日々追い込めるようなつよいこころがあったらなあといつも思います。


これからは怖くも楽しみでもあるTFが続きますが、怪我と体調には今まで以上に気を付けて、トレーニングは今まで通り励んでいこうと思います。

畿央大学の先生方、お忙しい中本当にありがとうございました。

2017年2月16日木曜日

荷重試験

はじめまして、2017年度構造設計兼代表の浅井です。
本来ならば、代替わりした9月ごろに挨拶すべきなのでしょうが、ひたすら怠惰な性格なため、いままで更新していませんでした。
なので、もう一度あいさつします。
はじめまして、2017年度構造設計兼代表の浅井です。
文章がうまい部員の後に更新するのは、気が引けますが勇気をもって更新します。

昨日2月15日に荷重試験を行い、無事成功しました。
冷静に考えれば折れるはずがないんですが、それでも怖くて見ているときは胃がキリキリ痛みました。
うちのチームが荷重試験を行い始めたのは最近のことで、ノウハウが確立されきっていないので、去年の1代上の先輩方の方法に+αして、少しは進歩できたと信じております。去年と違う点は以下の通り。

・メインフレームではなく、それにかわる仮のフレームを製作し使用
・画像によるたわみの計測

去年に引き続き、高所作業車を手配して、その荷台の上に「ヤグラ」(翼を固定するフレームや台)を組み立てることは決めていたので、比較的スムーズに行うことができました。また計測は全体設計が工夫してくれているようなので、問題なさそうです。

















1.5Gの様子

反省すべきことがあるとすると、一回生達に荷重試験の怖さをうまく伝えられなかったことでしょうか。ここまでくると、だんだんと終わりが近づいていることを感じます。

構造設計 浅井

寒月がかかれば (初めまして、翼班長です)


 月日の流れは早いものだ。私がこの大学に入りおよそ二年、そしてこのブログを書こうと思い立ちはや二か月の歳月が経ってしまった。その間、我が翼班は主翼リブを作り終えてしまい、以前私がブログに載せるつもりだった内容も、今や何のことだか思い出せない。まあ良しとする。
 ついさきほど行われた荷重試験を無事に終え、主翼製作はいよいよ組み立ての段階に入る。飾りっ気のない桁に、リブを固定し、上皮を張り付け翼を形作っていくわけで、今までのリブ製作が陸上で言う準備体操であるならば、我々は数か月に及ぶ入念なストレッチを終え、いよいよ完成というゴールに向かって、踏み切り台に足をかけようとしているのである。一か月という短い期間での完成を予定しているが、その工程には今まで以上に多くの要素が組み込まれ、多数のハードルを越えていくことが必要とされる。
 これら完成までの道のりの中で、目下私が重要視しているのが、桁にリブを固定する作業である。太いカーボンの骨格に小骨を生やしていくこの作業であるが、やがてはこれらの上に肉が付き翼を形成していくわけであって、ちょっとしたズレが性能の減少につながると認識している。我がチームは、代々これに錘をつるした糸を垂らしてリブに記された基準線と位置合わせをするという方式を用いているが、現行の方法は多少の工夫を加える必要があると感じており、他のチームを参考にリブ固定の方法を模索中である。
 リブ固定が終わればストリンガーを取り付け、大急ぎで外皮張りへと取り掛かる。今年度はプランク材を切り出す装置と電熱棒(いずれも前縁製作担当者が作ってくれました)を用いて、切り出したスタイロを曲げ、前縁と上面が一体となった構造にする。また昨年ぐにゃぐにゃだった後縁も材質を変更することにしている。これらのことについては、実験的に製作してみたものの、実際にやってみないと分からないことも多く、リブ固定後の悩みのタネになりそうである。また、尾翼の製作も忘れてはならない。
 翼班にとっては、慌ただしい一か月になりそうだ。
                               翼班長 武原直人

2016年12月19日月曜日

あをによし、これならよし!(パイロット日記)

お久しぶりです!パイロットの齋藤です。

今日は体力測定のために奈良県に行って参りました。写真はその帰りに会いに行った鹿さんのラブリーなヒップです。




今年も去年までと同様、畿央大学の先生方のご協力を頂いています。

最近はこの体力測定が不安でトレーニングが手につかない(脚につかない)ほどでした。これは日々の僕の追い込みが足りないからなのでしょうか…?反省します…。


結果について『成長はしていたがまだまだ課題は残っている』みたいなつまらない文章を書いてもしょうがないとは思ったのですが、まさにそんな感じです。『いろいろとやるべきことは見つかった』というさらに月並みな言葉も付け加えたいところです。
弱点を一つひとつ潰していくのは得意なので、これからもなんとか頑張っていけそうです。



今までずっと真っ暗な洞窟をさまよっていたけれども、とりあえず前の方に出口がありそうだというのは分かったよ、みたいなそんな日でした。

僕はこれで今年の山は超えたのであとはもう良い気分で年越しを迎えられそうです。


最後になりましたが畿央大学の先生方、今日は本当にありがとうございました。


2016年9月16日金曜日

下るほかない(新ギアボックスについて)


久方ぶりです。駆動班の二回生、藤田がお送りします。



交流会のため東京へ赴くわけですが、交流会の度に東京へばかり行っているので、そろそろ東京観光も飽きて今一つくだらない気がします。

いや、二三回東京に行ったくらいで見尽くしたなんて言えないでしょうが、ともかく、どうしても東京へ来たなら行かなければならない、という感じの所が無くなってしまいました。

しかし、むしろ贅沢な形で街歩きを楽しめるようになったと、お上りさんを脱したことを宣言してもいい頃合いでしょう。

今後は神田の古本屋街で一日中立ち読みするような深みへ下っていこうと思います。



それはさておいて、鳥人間コンテストの前にギアボックスを新調しました。

前作ったセットの内、上のギアボックスが壊れてしまったのです。
 
水平方向の軸を一点で固定していたことが良くなかったとか、ギア自体の強度が足りなかったという理由が考えられています。

今回のギアボックスはその反省から再設計されたものです。


まあとりあえず図面を見てもらいましょうか。


これが下ギアボックス、


こっちが上ギアボックスです。



下ギアボックスは、この縮尺で見ると分からないですが、小さく丸く、すなわち可愛くなりました。

どうでもよくはないです。軽量化と安全対策がより進んだので。

しかし、中身のギアはモジュール2から2.5に、大きいものへ変えました。

これはさっき書いたようなギアの強度が足りない、という状態を防ぐためですね。

あと、前のものはギアボックスの上の部分が分離できるようになっていたのですが、この部分が軸の回転に伴ってわずかにずれ、軸自体も振れるのではないかと考え、一体化することにしました。



次に問題の上ギアボックスですが、まず、水平方向の軸を二点で固定するようにしました。

そして下ギアボックスと同じように、ギアを大きいものに変えました。

それよりも、ギアボックス自体の形が明らかに違うのに気が付くと思います。

今回のものは、上ギアボックスを搭載するメインビームに沿うよう、円柱型にしました。また、円形部品を廃し、部品数を減らしました。

前のものは、直方体状のギアボックスに円形の部品を取り付けて、それをメインビームに搭載していたのですが、部品の分割数が多くなり、分割される区切れとなる部分の強度が不安で過強度に設計しなければならなかった上、先に書いた分離できる部分のずれにも気を配らなければいけなかったですし、ギアを噛み合わせるメインビーム内のスペースを、さらにギアボックスの直方体状のスペースに制限してしまっていたので、大きいギアを取り付けることができませんでした。

パーツの数を減らして、円柱型にすることでこれらの問題を解決しようとしたわけです。

最後に、潤滑方式として油浴式を採用しました。

ボックス自体が欠けた円柱状になっているわけですけど、この部分に対応する形のカーボン製部品を取り付けて密封し、その中に自動車のエンジンオイルを注入します。

これで、ギアの回転が滑らかになったと信じたいところです。グリスを使った場合よりやや抵抗が増す気もするのですが、一様のペースで回るようになったと思います。



まあ新しいギアボックスの特徴はこんなところでしょうか。

交流会資料に少し書いた内容と大して変わりませんね。もうちょっと余計に書くことがあるかと思ったんですが。

もちろん課題もありまして、図を見てわかる通り、シムリングの影も形もなく、噛み合わせ、ギア間の距離をどうするのか、という問題があります。

ギア自体の強度を多少上げるより、こちらの方が問題の本質である気もするところです。



余談ですが、自分はギアボックスのセットについて、上下の内の下が一番目で上が二番目であるという風に勝手に思っています。

まずペダルがあって、そこから下ギアボックス、縦シャフト、上ギアボックス、横シャフト、プロペラという順に動力が伝達していく風に考えているのです。

先に下ギアボックスを紹介するあたりにそれが現れています。

しかし、実際の駆動系は同期的に動くので、順番などがあるはずは無いのです。

上るとか下るとかいう話を最初にしましたが、そしてこれは方向、順序に関わる概念ですが、例えば自分が考えていたような、ペダルからプロペラに、動力が上の方へ伝わっていくような考え方が事実に基づいて生み出されたものではないように、やはり上り下りという認識は多く想像から作られるのでしょう、

と言ってみるのは、余りにも素朴すぎて自ら何か許しがたいです。



まあ、前の段落は言葉遊びだから気にしなくていいのです。このブログの結論でもありません。

上方よりお送りしました。それではさらば、さらばです。